《MUMEI》

「須泱‥?」




「本来この術は霊魂を封じる為のもの‥。だが陣に二つの魂が入った場合‥入れ替わってしまう。そして、使った場合二度と解く事が出来ない。故に禁術として封印されていた‥のだが‥‥‥まさか姫様方がお使いになられるとは‥‥‥」




「‥‥‥‥‥‥‥」




「だが、今回のものは未熟な筈だ──直に解ける」




「直に、って──どれ位?」




 紫苑が尋ねると。





「ひと月、といったところか」




 そう、須泱が答えた。




 桜と紫苑は顔を見合わせ、ほっと安堵の息をついた。

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