《MUMEI》

両親と俺、それにアキラとこの外国人…もとい、なぜか”克哉”という日本名な奴を交え、この克哉という奴と結婚するという事を言っていた。



ふと、小さい頃、一緒にお風呂に入った時の事を思い出した。


湯船の中で可愛らしいアキラの素肌を撫でて、いっぱいキスをしても、アキラは何をされてるか意味が分からないくらい小さくて、その唇にキスをしてもきょとんとしていた。



「じいじ…と…ばぁば?」

あきらの膝に座っていた筈の小さな子供が両親の元へ歩いていくと、両方の顔を覗き込みながらそんな事を言っていた。

お袋の方は早速その子供の笑顔にほだされてしまっていた。




金髪の野郎が出してきた名刺の端に「Vize President」と書かれているのが見えた。

(副…社長か…)

俺は外国語なんかそんなに分からないが、多分そうだろう。

メガネを掛けた賢そうな顔、スタイルが良く背が高い、金色の髪に白い肌…。

こういう奴が好みだったのか…。

いやいや…あきらは別にそんな奴では無かった。


高校生の時、彼女を連れてきた事があった。

その子は普通に黒髪の可愛らしい女の子だったな…。



「アキラしゃんのおにーたんなの?やっぱりアキラしゃんに似てるねぇ〜///」

さっきの子供が俺の顔を不思議そうに覗き込んでくると、俺の膝に手をつきながらそう言ってきた。

「似てる…か…」

その子供の頭を撫でると、気持ちよさそうに目を閉じていた。


あきらも、こんなカンジで皆に愛される子供だった。


父の側についてちょこんと座り、俺と一緒に見よう見まねで花を生けていたりしていた。

アキラは門下生の叔母様方に可愛らしいと言われていた、花の似合う子供だった。

俺はこの家を継がなければならなくて、あいつにはそれが無くて…。

そんな俺の気も知らずにニコニコと笑いながら花と戯れていた。

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