《MUMEI》 「アイツって…兄ですか」 突然出てきた兄の話題にドキッとした。 「…そうだけど、お前も兄貴もお坊ちゃんなのな…」 兄さんの話題が出たから、その…僕の知らない兄さんの話を聞いてみたかったけど、今その事を聞くと何だか兄さんに会いたくなってしまうかもしれないから…氷水と一緒にその思いを一気に飲み込んだ。 「ちょっと…フラフラします///」 「どうした、気分でも悪いのか?」 「ぅ…ι」 笹山さんが隣でお酒を飲んでいたせいもあってか、その匂いだけで酔っぱらったような気がした。 「じゃあ、もう寝るか…」 「…は…はい///」 そう言って背中を叩かれると、立ち上がるように促された。 「名前…アキラだったよな」 「えぇ…そうですけろ…」 ちょっとフラフラして呂律の回らない口でそう答えると、笹山さんは僕の腕を掴み、自分の寝室の方へ引っ張って行こうとした。 「あっ…あの///僕ひとりで寝れるし…」 「ベッドもねぇだろ…」 「さ…さっきクローゼット開けたら布団とかあったし、それで…」 「チッ…」 ”チッ…”? 一瞬、今まで優しかった笹山さんの表情が変わり、僕を強引に寝室へ連れ込むとベッドに突き倒した。 前へ |次へ |
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