《MUMEI》

 昼休み──また屋上に来た。




「──丁度いい天気だな」

「うん」




 ぽかぽかして──あったかくて。




「すっかり恒例になったな、屋上に来るのも」

「そうだね──」

「──髪‥」

「?」

「伸びたな、少し──」

「ぇ‥」

「ぁ‥ぃゃ‥‥‥昔の君を思い出して‥」

「そうだ‥髪、今よりもうちょっと長くて──束ねてたんだよね」

「それが風に揺れる度──本当に綺麗だった。──今も」

「───────」

「‥?」

「ううん──ありがとう」




 やっぱり──ちょっぴりくすぐったいな。

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