《MUMEI》 A常務「いつもの事ながら、鮮やかだな…。 …恩にきるよ…。」 *「礼などいいさ…。 …それよりも……分かってるよな…?」 電話の相手は、アンパンマンの“心にも無い礼”を一言で片付けると、何かの意図を遠回しに匂わせる。 無論それは、自分が受け取る報酬のことだ。 アンパンマンの奥歯が軽くきしんだ。 (馬鹿高い手数料ぶん取りやがって…! あの債務者を使って幾ら儲けたんだ!?) そんな懐疑を吐き出したくなる衝動を抑えた。 アンパンマンの傍らには、裸のM菜……メロンパンナが寝息をたてている。 その女神のような寝顔が、アンパンマンの崩れそうな自制心をかろうじて繋ぎとめた…。 前へ |次へ |
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