《MUMEI》

「‥‥‥?」




 妖月はただ、首を傾げる。




(どういう意味なのだ?)




「紫苑の君──」




「入れ替わっておるのだ、私と紫苑は」




「おおっ成程! 入れ替わっているのかっ」




 それを知っても驚くどころか、好奇心を全開にする妖月。




「それでっ──紫苑の君は何故桜の姫と入れ替わったのだっ?」




「ぃゃ、だから私は紫苑では‥」





「?」




(こ奴‥分かっておらんな‥)




 説明しても無駄だと悟り、桜は書を差し出した。




「ここに書かれてある術を使った──」




「むむっ‥?」

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