《MUMEI》 家に着くまでの間、私とアゲハ君は昔の事ばかり話していた。 もう何年も前の事なのに──つい昨日の事みたいにはっきり覚えている。 あの頃にも、私達は生きていたから。 でもそうしたら──それよりもっと前にも、違う私が生きていたのかも知れない。 私は‥うづきの前は誰だったんだろう‥? どんな風に生きていたんだろう──。 「どうした‥?」 「ううん──ちょっと考え事」 輪廻転生って、アゲハ君が言っていた。 ──だから私達は、今を精一杯楽しまなきゃいけないんだ。 後で後悔しない為にも──。 前へ |次へ |
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