《MUMEI》

 家に着くまでの間、私とアゲハ君は昔の事ばかり話していた。




 もう何年も前の事なのに──つい昨日の事みたいにはっきり覚えている。




 あの頃にも、私達は生きていたから。




 でもそうしたら──それよりもっと前にも、違う私が生きていたのかも知れない。




 私は‥うづきの前は誰だったんだろう‥?




 どんな風に生きていたんだろう──。




「どうした‥?」

「ううん──ちょっと考え事」





 輪廻転生って、アゲハ君が言っていた。 ──だから私達は、今を精一杯楽しまなきゃいけないんだ。 後で後悔しない為にも──。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫