《MUMEI》

「翔太くん。
いっつも話聞いてくれてありがと…。
凄く楽しかったよ。」


美紀が言った。


僕たちは最後に、
翔太たちと話したんだ…。


「普段口は悪かったけど、
私にハンドボールのことを教えてくれてる時は真剣に教えてくれたね…。


キミたちを見てたら、
学生時代をやり直したくなったよ…。


皆本気になってる。


私にできることは少ないかもしれないけど、
きっと力になってみせるよ…。」


安本さん…


「バカヤロ〜…
お前みたいなセンター他にはいなかったのに…


何でいなくなんだよ…


俺…
もっとお前と話したかった…
もっと早く、
お前に会いたかった…」


恭介…


「俺の隣には、


クロがいて、


お前がいて、


当たり前だと思ってた…


いつまでも続けばいいって…


なのに…


何でだよ…」


ヤマ…


「…」


「…理紗ちゃん?」


「…ありがとね。


…大好きだよ。


これまでも…


これからも…


ずっとずっと…」


皆泣いてる…


悲しみをこらえることは、


想像以上にずっと難しいことだったて…


改めて実感した…


「クロ。」


「…うん。」


翔太聞いてね?


口に出して言わなくたって、


伝わると思ってた。


でも、


それを口に出さなかったことを…


後悔してる。


…最後まで自己中でごめん。


でも、


僕の為に、


聞いてほしい…。


「…翔太の先輩でいれたこと。


それが僕の自慢。


翔太?

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