《MUMEI》

「‥ぁ‥」

「?」

「星出てる──」

「ぁぁ‥」

「──よく──眠れないと星を見てたんだ、そうすると──何だか落ち着いた」

「そうか──」

「うん。アゲハ君は眠れない時どうしてたの?」

「僕は‥‥‥」

「──黄羽」

「っ‥?」




 アゲハ君が‥振り返る。




「‥何故その名を‥‥‥」

「──あら、忘れたの?」

「‥!?」

「アゲハ君‥どうし‥‥‥」

「‥サクヤ」

「ぇ、‥ちょっと‥!?」




 いきなり‥アゲハ君が私を引っ張って走り出す。




 私は‥何が何だか全然分からなかった。

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