《MUMEI》

「そう‥でもないな──」




「好きに出来るのは楽しいけど──やっぱり大変だったりもするし──」




「ふむ‥」




「本当は分からないんだよね、どっちがいいのか──」




「楽しめばいいのだっ」




「妖月‥?」




「こうして入れ替わっていられるのは少しの間だけなのだろう? ならばその時間を楽しまなくては損なのだっ」




「──そっか──」




「一理あるな」




 桜が、頷く。




「ありがとう、妖月──曇りが晴れた」




「どう致しまして、なのだっ」

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