《MUMEI》

 ひと月もすれば、また元の毎日に戻ってしまう。 ならば、楽しむに越した事はない。




 そう思い、桜達はそれぞれの時を過ごしていた。




「──紫苑様──本当に楽しそうにしてらっしゃるわね」




「ええ──姫様も」




 葵と菫が、微笑ましげに話していた。




「そういえば先日‥須泱さんがいらしてたけど──」




「夜には妖月さんもお見えになっていたとか」




「──何か──」




「大丈夫。あんなにお二人ともお元気にしてらっしゃるじゃない」




「そうね──」




 葵に頷き、菫が笑った。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫