《MUMEI》 (どうしよう‥‥‥) 紫苑は、自分を責めた。 昨晩‥桜の様子が少しおかしかった事に気付いていたのだ。 なのに、何故助言をしなかったのか。 「‥っ‥」 桜は、未だ目を覚まさない。 「白栩‥‥‥」 「熱があるようです──暫く様子を見ましょう‥‥‥。姫様はお戻りに──」 「私もいます」 「姫様‥?」 「‥いさせて下さい‥」 涙目になる紫苑に、白栩は静かに頷いた。 前へ |次へ |
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