《MUMEI》

「──紫苑の君、紫苑の君」




「? ぁ‥妖月──」




「桜の姫はご無事かっ?」




「うん、まだ完壁には治ってないけど──」




「よしっ、では私がお見舞いに──」




「うわぁっ、ちょっと待って‥!!」




「?」




「もう暫く安静に、って言われてるし‥」




「お見舞いに行くだけだぞ?」




「でも‥」




 妖月の事だ。 きっと、遊んでくれとせがむに違いない‥そう紫苑は思わずにはいられない。




「もうちょっとしてからじゃ──駄目、かな‥」




「ううむ‥‥‥仕方ないな」




 渋々、妖月は頷いた。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫