《MUMEI》 「ぁ‥お目覚めでしたか──」 女房二人が、桜達に声をかけた。 紫苑は慌てて涙を拭い、顔を上げた。 そして立ち上がると、縁側から庭へ出た。 桜の花びらを受け止めると、それを姉に手渡す。 「───────」 桜が目を細め、それに見入っていると。 「‥?」 物音が、した。 (‥何だ‥?) 「私が見て参ります」 菊宮と蓮宮が、ほぼ同時に立ち上がる。 そして、戻って来ると。 「これが──矢に結ばれていたのですが‥」 「‥手紙‥?」 前へ |次へ |
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