《MUMEI》

「でも‥」

「あたし絶っ対あんな奴に菜畑渡さないんだから」

「───────」

「てかさ、何で小雪が黄羽様の許嫁な訳‥? おかしいじゃん」

「自分で決められる訳じゃ無かったんだ。仕方無い」

「ぅゎっ‥ビックリしたぁ‥」

「彼女は僕が何とかする。君達は何も心配しなくていい」

「アゲハ君‥?」

「──戻ろう。授業が始まる」

「うん‥‥‥」





 だけど‥‥‥。




「ほらサクヤ、行こっ」




 ミドリに引っ張られて‥教室に戻った。




 雪野さんは‥自分の席に座ってノートを開いていた。

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