《MUMEI》

アンパンマンは、電話の相手に悟られぬよう、ひとつ深呼吸を入れた。



A常務「分かってる…。


今日中には例の口座に振り込んでおくさ…。」



穏やかな口調とは裏腹に、その表情は口惜しそうに歪んでいた。



*「ククク…まいどありぃ……。


…今後ともごひいきに頼むぜ……


…じゃあな、バイバイキ〜ン!」



――…プッ…ツー…ツー…ツー…



(糞!!)――…ガチャン!



電話が切れるや、アンパンマンは乱暴に受話器を叩きつけた!

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