《MUMEI》

 4限が終わって、昼休みになった。




 みんなが、お弁当を広げ始める。




「黄羽」

「‥その呼び方は止めてくれ。今はアゲハだ」

「アゲハ? そう──‥あのサクヤって子、貴方の事誘いたいみたいだけど?」

「‥言われなくても分かっている」

「どうして行かない訳?」

「‥僕が彼女と関わるのが君は嫌なんだろう」

「それで?」

「‥彼女を傷つけたくない」

「ふぅん?」

「頼むから‥彼女にさっきのような事を言うのは止めてくれ」

「さっきのようなって?」

「‥彼女はずっと待っていたんだ‥僕を‥。なのに君は」

「ね、屋上行かない?」

「‥!?」

「ちょっと付き合って」

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