《MUMEI》 四 上弦の月遊戯を始めて、七日目の夜。 「───────」 桜は月を眺めていた。 (もうじき満ちるな──) 「桜」 「おお──紫苑‥」 「座ってもいい?」 「ぁぁ、勿論」 桜が笑いかけると、紫苑が彼女の隣りに座る。 「もうちょっとで満月だね──」 「ぁぁ‥」 「下弦になる頃には‥元に戻ってしまうな」 「戻りたくない?」 「ぃゃ──‥」 ただ、ひと月では少し短いような気が、桜はしていた。 前へ |次へ |
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