《MUMEI》

「──ぁ‥桜お帰り──。散歩行ってたの?」




「ぁぁ」




「もしかして──須泱の所に‥?」

「──ぃゃ、その‥」




 どう答えるべきか、迷う桜。




「‥‥‥ぁ‥そうだっ‥」

「桜‥?」




「また彼女が来る前に少し昼寝を──‥」




「ぇ‥?」




 ぽかんとする紫苑。




「桜──何か変だよ?」




「へ‥変、とは‥?」

「ぁ‥ごめん、須泱に何か相談したかったんじゃないかなぁって──」




「‥!?」




(こいつ‥全て知っているかのようだ‥)

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