《MUMEI》

…夜。


優は寝て、


僕は部屋で1人。


父さんの帰りを待っていた。


時計の針が10時を回った頃、


ガチャッ…


父さんが帰って来た。


僕はすぐにリビングには行かなかった。


たぶん…


母さんが話してるだろうと思ったから…。


しばらく僕は呼ばれなかった。


怒ってんだろ〜な…


今日は仕方ないにしても、


これまでサボってたのは事実だし…


いつ呼ばれるのかと待ってた。



















11時。


まだ話してんのか…


長い…










「小太郎〜。
降りて来い。」










声の感じからは、


父さんが怒ってる気配はない。


あ、


そうか。


優起こしちゃうもんね。


「ふぅ…」


僕は下に降りて、


リビングへ。


父さんは無表情だ。


…どっちだ。


まぁ、


たぶん怒ってんだろ〜な。

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