《MUMEI》

「…座れ。」


僕は言われたままに座った。


「出席日数のことは知ってたのか?」


「…うん。」


「そうか…
それでも葬式に出るとこはお前らしいけどな…」


「…」


「…何で黙ってた?」


「…言う必要ないかと思って。」


「そうか…」


「…」


「…ふざけんなよ。」


う…
きた…


「まだ19のお前が何を根拠に言わなくていいと思った?」


「…」


何も言い返せない…
だって正論だもん…


「ふぅ…」


父さんはタバコに手を伸ばした。


「…どうする気だ?」


「学校は…
辞める。」


「はぁ?」


僕は頭を下げた。


親に土下座をしたのは、


これが初めてだった。


「すいません!!
学校辞めたいです!!」


「…それは、


卒業できなくなったからか?


別に今年卒業できなくても…」


「違います!!
他にやりたいことができたんです!!」


「…何だ?」


「ハンドボールで、
プロ目指したい…」


「プロ…?」


「…はい。」

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