《MUMEI》 「何で急に…」 「…急じゃない。」 「…?」 「僕も急だと思ってた…。 でも違う。 そこに踏み込む勇気がなかっただけ。 僕はいつも自分がやることに自信を持ってやってる。 それがいつも正しい選択とは限らないけど、 でも、 ここからは逃げたくない。 ここだけは引けない。 そう… 気付かされたから…」 「…」 父さんはタバコを吸った。 「…小さい頃から仕事であんまり構ってやれなかったな。」 「…」 父さんこそ… 急になんだよ… 「運動会も、 授業参観も、 …ハンドボールの試合も見に行けなかったな。」 「…」 「お前は頭の良い子だったからな… それをわかってて俺にわがままを言おうとしなかった。」 「…」 「俺は… どこかでその状況に甘えてた…。」 「…」 僕は黙って父さんの話を聞いた。 父さんは、 タバコを吸いながら時計を見た。 「11時20分か…」 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |