《MUMEI》
エイミーの価値
「エイミーが新入生代表じゃなくて良かったな」


正直俺は、『外国人の新入生代表』と聞いた時、エイミーの事だと思った。


(まぁ、だったら俺は呼ばれないな)


それなら、英語教師が対応すればいいのだから。


「エイミーは、可愛さは一年の中でダントツだけど、頭は普通か、平均よりちょっと上位だから」

「へぇ…それでよく果穂さんが認めたな」


前半ののろけはともかく、後半の話は意外だった。


「それはね…

エイミーが側にいると、俺がすっっっごくやる気が出るから」

「すっっっごく?」

「すっっっごく!」


(そういえば、果穂さんが頼は実力あるのにやる気無いとか言ってたっけ…)


「ちなみに、どの位?」


すっっっごくやる気になった頼の実力が少しだけ気になった。


「三学期テスト全教科満点!」

「マジか…」

「マジだ! な、エイミー効果はすごいだろ!?」

「あぁ…」


それまで頼は厳といい勝負で、八十点平均で


入学してから二学期までは、満点を出した事が無かったから、俺はかなり驚いた。


「厳も…変わるのかな」


未だに迷っている頼の双子の片割れの行方が少し気になった。

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