《MUMEI》

(何も号泣しなくとも‥)




 まだぼろぼろと涙を零し続ける妖月に、桜は些か呆れていた。




 狐叉のいる長屋の側に辿り着いた。




「狐叉──」




「ん‥‥‥姫様‥?」




「すまん、邪魔なら──」




「ぃゃ、全く」




「そうか──」




「──いらしていたのか、お二方」




「ぁぁ‥見舞いに」




「ぁ‥あのねっ、妖月と薬作って来たんだよ──えっと‥‥‥」





「あちらでしか採れないという薬草から──」




「──二人共頑張ってくれたのだっ」




「そうか──有り難う」

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