《MUMEI》 「本当‥‥‥かっ?」 「ぁぁ。何よりお前は──私の誇りだ」 「──っ」 じわり、と妖月の瞳に涙が浮かぶ。 「っ‥」 (今日は泣いてばかりだな‥) 毛並みに顔をうずめたまま、抱き付くように狐叉の体に腕を回す。 狐叉は抱き締める代わりに、ふさふさした尾で娘を包んでやる。 その頃、屋根の上には──独り月明りに目を細める須泱がいた。 彼は徐に立ち上がると‥俄かに北東に目を向けた。 (明日‥だな) 前へ |次へ |
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