《MUMEI》 「なぁ‥やはり妖怪とかが来るのか?」 「うむっ、色々来るのだ」 楽しげに会話を弾ませる一人と一匹の傍らで、紫苑が縮こまっている。 (何で平気なんだろ‥) 妖月はともかく、桜も全く恐れる様子がないのだ。 (僕も桜みたいだったらなぁ‥‥‥) 「ん、どうしたのだ紫苑の君?」 「ううん‥」 御守を握り締め、紫苑は静かに首を横に振る。 「‥来た」 狐叉が呟くと同時に‥‥‥闇が、紅に変わった。 前へ |次へ |
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