《MUMEI》

「‥!!」




 すかさず桜の後ろに隠れたのは‥紫苑だ。




(‥起きなきゃ良かった‥)




 だが、もうとても眠れそうにない。




「怖がる事ないのだっ、何も妖達は悪さをしに出て来るのではないぞ?」




「‥でも怖いよぉ‥」




「? ならば寝ていれば良かったではないか」




 桜に言われ、しょんぼりとうなだれる紫苑。




(‥ぁ‥そうか‥私達が起こしてしまったのか)




 気付いた桜が、すまん、と謝ると。




「ううん、寝てても怖い夢見たかも知れないし──」




 紫苑が、にこっと笑った。

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