《MUMEI》 紅の中に、連なる影。 「───────」 (祭のようだな‥) そう思ったのは、桜だけではない。 紫苑や妖月も、同じ事を思っていた。 「妖月──時に須泱はどこにおるのだ?」 「ええと、須泱は‥ええと‥‥‥見張りをしているのだっ」 「見張り‥?」 「うむっ、万一の事がないとも限らないから──」 「そうか──忙しいのだな──」 「そうなのだっ」 何故か自慢げな妖月であった。 前へ |次へ |
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