《MUMEI》

「先生っての、止めてくれないかな?」

パンの余熱で柔らかくなったバターが瞼に塗られた。


「わっ……!

浸みないように、強めに閉じる。


「うん。いいね、いいよ、その叫び。いいかな、一度しか言わないよ?槙島 友紀夫、……友紀夫ね。」

鼻先が付くくらい間近から捉えたのは釣り上がる口角の中に並ぶ歯だった。
底知れぬ不安が締め付ける。


「……ゆきおさん?」


「それでいい。」

ニンマリ、先生の顔が浮かび上がる。

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