《MUMEI》

「よっし‥」

「ミドリ‥本気‥?」

「あったり前じゃん、てかまずはあいつからケータイ取り返さなきゃ‥。──ぁ、サクヤはせいら‥‥碧山に付いてった方がいいかもよ‥?」




 青嵐、そう言いかけて慌てて碧山に直したミドリ。




「──ほらっ、見失うよ?」

「ぁ‥うんっ‥」




 ミドリ‥‥‥雪野さんの事本気で怒っちゃったみたい‥。




「‥えっと‥」




 ‥そうだ‥碧山君を追いかけるんだった‥。




「──此花さん、こっちです!」




 碧山君に呼ばれて、私はまた廊下を走り出した。

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