《MUMEI》

温かいパンに塗り込まれたバターは空腹感を与える。
先生は何か箱を取り出してきた。


「なぞなぞをしようか。手足がたくさんあって目もたくさんある、体中毛だらけの物はなんだ?」

ピンセットで何かを摘んでいる。
先生のなぞかけを察することが出来ず困惑していると、テーブルが僅かに揺れ動く。
貧乏揺すりをしているのだ。


「たわし?」


「はい不正解、ペナルティ」

ピンセットとパンを持って近付いて来た、ピンセットの先を凝視し、答えを知ると声も出ないくらいに喉が締まった。





ピンセットの先には蜘蛛が捕まえられていた。

色は黒に近い、と言うより俺自身が蜘蛛を受け付けられないので直視出来ない。

バターに絡まる蜘蛛ならなおのこと。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫