《MUMEI》 「──珍しいな‥‥‥有明とは‥」 「うん」 うっとりとしながら、紫苑が呟く。 「妖月達も見てるかな──」 「恐らく、な」 桜は、昨晩眠ってしまった事を少しばかり後悔していた。 (滅多に見られるものではなかったしな‥) 「ん‥紫苑?」 「忘れない内に書いておこうと思って──」 「何をだ?」 「日記。仮名文字の練習にもなるから」 「お前は真面目だな──」 感心する桜。 (双子だというのに‥本当に真逆だな‥私達は──) 前へ |次へ |
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