《MUMEI》

晩餐の後、僕はお嬢様のお部屋に向かった。




「花禀様──参りました‥‥‥花禀様?」





もう眠ってしまわれたのか‥?




「何よ、何か用?」

「ぅわっ‥か‥花禀様っ‥」





というか‥今し方『来て』と仰いましたよね‥?





「まぁいいわ‥とにかく入って」





取りあえず中へ入れて下さった花禀様。




「じゃ、そこ座って」





示されたのは‥‥‥ドレッサーのチェスト。





「あの‥‥‥花禀様‥?」





そこは僕が座るべき場所ではないのでは‥?

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