《MUMEI》

「──よし、これでばっちり」

「ほう‥上手くなったものだな、随分と──」

「桜には敵わないけどね」

「? 私は下手だぞ‥?」




 などと二人が話していると。




「──お二方」




 御簾の向こうから声がした。




 その声の主は──須泱だ。




「昨晩はご無事だったようで何より‥‥‥」

「ぁぁ、ご苦労だったな──大丈夫か‥?」

「何故か妖月が入って来て列を乱して‥纏めるのに些か苦労したもので」




「そ‥そうか‥大変だったな‥本当に‥」

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