《MUMEI》 すねる頼俺が村井と話していると [何でエイミー帰しちゃうのさ…祐也のバカ] 頼がタックルしてきた。 「痛いだろ、バカ。それにいきなり英語にするな。他の部員が困るだろ」 頼はどうやらすねた時も英語になるらしい。 [だって…] 「去年お前も自己紹介終わったら帰っただろ」 [でも…] 「大体エイミーは、この後アルフの見送りあるんだから、帰るのも仕方ないだろ」 [それはそうだけどさ] (仕方ないな…) 俺は衣装班の班長を呼んだ。 今日は、主役のエイミー以外の衣装合わせをする予定になっていた。 「どうしました?」 「悪いけど、頼とエイミーの衣装持ってきてくれる?」 「頼君はともかく…主役の衣装は…」 実は、主役の衣装は二つ作ってあり、実際にエイミーに着せてから、皆で判断する予定だった。 「予定変更。頼が今日使い物にならないし… 頼に判断させる」 そして、俺は衣装班が持ってきた 頼の『一狼』の衣装と エイミーの『赤ずきん』の二つの衣装を頼に渡し すねる頼を先に帰した。 『エイミーの衣装はお前に任せるから』 そう言うと、機嫌は少しよくなった。 前へ |次へ |
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