《MUMEI》
顧問と副顧問
「すっかり部長らしくなったわね〜」

「洋子先生も手伝って下さいよ」


俺は、傍観していた顧問を睨みつけた。


「見守ってたじゃない」

「単に英語できないだけだろ」

「貴志!」


洋子先生は、隣にいた副顧問


今年、この学校に来た貴志先生を睨みつけた。


「貴志先生は、エイミー頼みます」


貴志先生は、エイミーの担任だった。


「…頼君に嫉妬されない程度に頑張るよ。

それにしても…本番、その衣装でいくの?」


真面目で常識人の貴志先生は、かなり控え目に俺が着ている衣装について質問してきた。


(そうだよな…)


いくら、文化祭が夏でも


「…これは無いですよね」

俺も含めた三匹の狼は、露出度が極端に高い気がした。


「そんな事無いわよ!これ以外は認めないから!」

「絶対嫌だ!」

「保、逃げちゃダメ!」

「嫌だ!部長と頼はともかく、俺はこんなの嫌だ!」

洋子先生の叫びに、保と坂井の叫びが加わり、その場は騒然となった。


「…人間、諦めも肝心だよ」

「…あんたは味方だと思ったのに」


その場を静め、保を確保したのは、貴志先生だった。

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