《MUMEI》

「あの‥紫苑様‥」

「雨が降っているものだから──外では出来んだろう? こうして中でも出来なくはないな、と」

「‥‥‥‥‥‥‥」




 蓮宮は開いた口が塞がらない。




(紫苑様‥こんなに行動的でいらっしゃったかしら‥)




 思えば、半月程前から‥何やらよく動き回るようになられた、と思う。




(そういえば姫様も‥)




 以前より、落ち着いて大人しくなられているような。




(‥気のせいかしら)




 蓮宮はそう思い、敢えて桜を咎めはしなかった。

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