《MUMEI》
腹黒副部長
「部長部長、ツンデレは非常に萌えますが、田中君がドン引きしてます」

「ツンデレ言うな、副部長」

「副部長?」

「そうです。私が副部長です」


俺の隣の緑川は、笑顔で頷いた。


「今の鏡月(きょうげつ)部長の言葉をまとめると、部長は花が大好きで、花を愛してるから、自分と、自分と同じく花が好きな園芸部員以外が下手に手を出して、花壇が荒れたら嫌だから、お願いだから何もしないでって意味と

田中君のファンだから、日焼けや手荒れ心配だから、何もしなくていいよって意味です」

「そんな事俺は言ってないぞ!」


涼風は慌てて否定しているが


「そういえば、一年の時年賀状の名前書いたような…」


その特長あるフルネームは、さすがの俺でも覚えていた。


「お、覚えて…!?」

「名前だけだけど」

「ど、どうせ名前負けだよ」

「…そうでもないと思う」


よく見れば、涼風の顔は高山一族ほどではないが、それなりに整っていた。


「メガネツンデレキャラってのもプラス要素ですよね」

「ツンデレじゃない!嫌味な敬語やめろ!」

「嫌です。私は、平凡容姿の腹黒キャラですから」


緑川は本人の言う通りの人物だった。

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