《MUMEI》
頼れるカルロス登場
突然の二人の乱入に、当然サッカー部員も混乱した。


「何だお前等!…祐也、お前の知り合いか?」

「知り合いっていうか…」


(こ、怖い!)


俺は未だかつてここまで怖い真司を見た事が無かった。


「ほな行くで!」

「はいな!」

〔うわぁ!〕


その隙に、ナターシャとアレクセイがサントスの手足を持ち上げた。


今、サントスの体は地面から浮いている。


「ちょ、」


(さすがにそれはまずいだろ!)


何をそんなに急いでいるか知らないが、二人はそのまま走りだそうとしていた。


その時


[お前等、俺の息子を降ろせ]


走ってきたらしく、汗だくなカルロスが現れた。


彼はこの状況でも冷静で、ロシア人の二人にわかるように英語を使った。


[バスはちゃんと待ってる。サントスが着替える時間もある。だから安心しろ]

[[了解]]


そこまで聞いて、二人はサントスを離した。


〔と、父さん〕

〔いいから、着替えてこい。後でお前にも説明するから〕


カルロスはサントスの頭を優しく撫でた。


それから、頼れる男・カルロスの説明を俺もサッカー部の皆と聞いた。

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