《MUMEI》

「見れば分かるでしょ、屋根に上ったの」

「何故ですか‥!?」

「‥‥‥気分よ」

「気分‥!?」





屋根に上りたくなる気分とは‥!?





「危険ですっ、お戻り下さいっ‥」

「‥‥‥私に命令するの?」

「ぃぇっ‥そんなつもりは」

「まぁいいけど。あんたなんかすぐ辞めちゃうんだから」

「‥あのっ‥」

「何よ」

「今朝はご無礼を致しました‥」

「今さら謝っても遅いわよ」

「これからはっ‥失礼のないよう精一杯勤めさせて頂きますっ‥‥‥ですから何とぞ‥」

「私は執事なんていらないのよ、あんたはお父様が勝手に連れて来たんじゃない」

「‥ぇ‥」

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