《MUMEI》

‥‥‥そうなのか‥?





『ぁ、君君』

『はい‥?』

『執事やってみないかい? 私の娘の』

『執事‥ですか?』





道を歩いていたら、いきなり声をかけられた。





執事をやらないか──そう誘って下さったのが、ご主人様。





僕は、執事なんて知らなかったし‥その年で仕事を出来るなんて思っていなかった。





『花禀は今年6歳になったばかりでね──強がっているが本当は寂しがりなんだ。メイドが1人いるんだけれど──彼女は家事で忙しくてね。君に花禀の世話役を頼みたいんだ』





ご主人様がそう仰って下さった時──僕は、光を見た気がした。





小さな、光を。

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