《MUMEI》

「またどうぞー♪」




 桜餅を二つ買って、店を出た。




「──本当だ──美味いな」

「良かった──」

「いい店を知っているな、君は──」

「──ぇ」

「また行けるといいな」




 夕陽を見つめながら、アゲハ君が言った。




「──そうだ──今度は皆も誘って──」

「うん」

「ん‥‥‥暗くなって来たな‥」

「──ぁ‥!」

「どうした‥?」

「星出てる──」




 一番星。




「綺麗──」

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