《MUMEI》

「──美味しそうね──今日はマフィン?」

「はい、お嬢様が一番お好きなお菓子ですから」

「篠河君本当にお菓子作るの上手よね──」

「他の事はからっきしなんですけどね‥、お菓子作りもそんなに得意って訳でもないですし‥」

「お嬢様、篠河君のお菓子かなりお気に入りみたいよ?」

「昨日は買ったシュークリームを召し上がってましたし‥」

「材料を買いに行くのが大変だって思われたんじゃない?」

「そうでしょうか‥」





こんなに長くお世話をさせて頂いているのに‥僕は花禀様のお気持ちが分からない。





‥どうしてなんだ‥?

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