《MUMEI》

「妹──みたいだな」

「?」




 妹みたい‥?





「リコ、といったか──さっきの子」

「ぁ──うん。夕方になると必ず来て──色んな話聞かせてくれたんだ」

「あの子は商店街に住んでいるんだろうか‥?」

「ぁ‥訊くの忘れた‥」

「まぁ、また会うだろう」

「──うん」




 そうだよね。





「しかし‥‥‥まだいたんだな」

「まだまだいるのかも知れないね、記憶がある人──」

「そうだな。それに‥記憶がなくても何らかの関わりがあった人もいるだろうし」




 アゲハ君が見上げた空には、沢山の星が光っていた。

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