《MUMEI》

花禀様──今朝方かなり怒ってらしたけど今は‥そんなでもないような‥。





「‥ちょっと! いつまでポット傾けてるのよッ」

「‥!?」





溢れた‥!!





「済みませんっ今‥お拭き‥‥‥」





ぁぁぁ‥何をやっているんだ僕はっ‥。





「ええとっ‥」





拭く物を‥。





慌てて‥キッチンに向かおうとしたら。





「はい篠河君、これ使って」

「ぁ‥ありがとうございますっ」





森下さん‥流石だ‥。




対応が早い‥。





僕と4つしか年が違わないのに‥。





「篠河っ、何モタモタしてんのよ早く拭きなさいっ」

「‥!!」





そうだっ‥紅茶が零れたままだったんだ‥。

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