《MUMEI》 集団登下校の理由放課後。 頼とエイミーのバカップルの邪魔をしたくない俺は、やはり朝と同様、ファンクラブ会員と一緒に下校していた。 「…お前等、俺のファンクラブ入ってたのか?」 待ち合わせ場所の校門まで部員達と一緒に来た俺は、見慣れた三人組に驚いた。 「当然」 「当たり前です」 「は、はい」 「…ちなみに、合言葉は?」 「イエスタクマ、イコール、ドンマイタクマ」×3 『ドンマイタクマ』は、英語の堀内先生が付けたニックネームだった。 「松本も石川も、自転車通学だったっけ?」 「い、いえ…」 「今日は特別!」 (そこまで無理しなくても) 一人にならない為に『もう三年だし、ファンサービスをしたいから』という理由を付けて実行した事だが、申し訳ない気持ちになった。 ちなみに、理由を考えたのは、俺では無くて忍だ。 [いいんだよ、特に美鈴は祐也と接点無くなって、寂しがってたから] [私も寂しかった!] (いつの間に、英語上達したんだ?) 俺と厳の会話に割り込んできた石川の発音は、完璧だった。 [美鈴ちゃんが親密度上げたから私は英語を頑張ってみた] [おかげで俺はまだ決められない] 前へ |次へ |
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