《MUMEI》

 アゲハ君‥‥‥何か思い出してる‥?




「──不思議だな。特に気がある訳でも無かったんだが‥何故だか急に思い付いて‥彼女が好きな白檀の香を使って作らせたんだ」 
「喜んでた?」

「ぁぁ──とても」

「黄羽様‥もしかしたら──」

「だとしても、君への気持ちには及ばなかった」

「──あっ、いましたよ菜畑君達」

「‥?」




 碧山君とミドリだ。




「ねっ、桜のとこでお昼食べない?」

「ぇ──」

「好きだな‥花見弁当」

「楽しいじゃん? そだっ、雪野も誘ってさ♪」

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