《MUMEI》

M菜「あなた、もしかして………


…何か悪いことでもしてるの?」



ストレートに核心を突く問いかけに、アンパンマンはギクリとする。



もしかすると、さっきの電話のやりとりを聞いていたのかもしれない。



A常務「悪いこと?…例えば?」



平然ととぼけるも、心臓は落ち着きを失っていた。



M菜「よく分からないけど………


…何か…法に触れることとか…?」



潤んだ瞳が真っ直ぐにアンパンマンを見つめる…。




暫く沈黙が流れた後――…



アンパンマンは、上辺だけの言訳を並べ始めた。




愛した女性に嘘をつく後ろめたさを、心の中で詫びながら…。

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