《MUMEI》

「もしもし──」

《ちょっと! いつまでほっつき歩いてんのよ!?》

「‥!!」





み‥耳がッ‥‥‥。




《ちょっと聞いてるの!? すぐ戻って来なさい今すぐッ》

「はいっ‥畏まりました!!」





まずい‥!





「お嬢様何て?」

「『すぐ戻って来なさい』‥に怒りマークが付いてました‥」

「じゃあ──早くお嬢様の所に帰って差し上げて。篠河君が本当に辞めたんじゃないかって心配になられたんだわ──」

「ぃぇ‥たぶん‥」





晩餐前に小腹が空かれたんだと‥。

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