《MUMEI》

 昼休みが、終わりそうになった頃。




「──提案なんだが」




 アゲハ君が、切り出した。





「時間があったら──和菓子屋にでも行かないか、皆で」

「和菓子屋?」

「ぁぁ──」

「いいですね」

「あそこの桜餅美味しいんだよね〜」

「そんなに?」

「ん、雪野まだ行ってないの?」

「私はまだ来たばかりだもの」

「じゃあ行こっ♪」

「私はいいわよ、甘い物苦手だから」

「遠慮する事は無い──」

「‥してないわよ」

「じゃあ強制連行って事で♪」

「!? 冗談じゃないわよっ‥」

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